元カノと陽キャな同級生

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 シーラとの思い出は本当にろくなものがない。  いい記憶というのは、頑張って大学二年の夏休み前までだ。  彼女がさっき名前の出た山川という後輩と新入生歓迎コンパで浮気をしたのが公になるまでの短い期間。  いや、そのずっと前から微妙にうまくいっていなかったかな。  お互い初カレ初カノということでぎくしゃくしても当然だと高をくくっていた僕が、底抜けの馬鹿だったのかもしれないけれど。 「……あいつのやったことなんて知らない方がいいと思うけどね。あたしが知っているものだけでも胸糞悪くなるし」 「聞かない訳にはいかないんだ。事情があってね」 「ふーん、よくわからないけれど、あんたがそういうなんて余程のことね。いいよ、話してあげる。柿沢が死んで、今度は春目だもん。こっちだって思うことはあるわ」 「ん、柿沢? 俊のこと?」 「知らないの? あいつも死んだじゃない。自殺じゃないけど」  ん?  柿沢俊が死んだ?
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