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元カノと陽キャな同級生
咲止唯に会うのは、去年の忘年会以来だった。
大学の同期というだけでなく、法律研究サークルで一緒に活動していたという気安い関係であったため、飲みにも誘いやすかった。
一部に誤解されているが、男女の関係はない。
僕はシーラのおかげで絶賛女性不信中なので、誰かとお付き合いをしようとは考えることさえもないのだから。
実家に帰ったときにもそのあたりのことは告げてある。
まあ、姉と義兄の間に元気な甥っ子がいるので、ドラマにあるような両親からの要求はなかった。
「――いやあ、ビールが美味いねえ」
咲止はかなりおっさんくさい。
加えて、黒いキャップと黒い布マスク、シンプルなTシャツにジーンズというラフすぎる格好なので、男性に見えなくもない。
黒いロングストレートのおかげでなんとか本来の性別が把握できるくらいだ。
ビールを数杯飲み干し、近況を少しだけ説明した後、
「で、単刀直入に聞くけど、春目が死んだことで、斗原はどんなダメージを負った訳?」
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