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「なんか、春目のことで脅迫とかされてんの? そうでなきゃ、あんた、飄々としているところあるから、人においそれと相談したりなんかしないでしょ」
「いきなりだね」
「いや、あいつって、大学のときにはもうクスリみたいなの使っていたでしょ。四年のときなんて、たまにキャンパスでみかけたらおかしな目つきしてたし。二つ上の佐藤なんていうクスリの売人だって噂の先輩ともつきあいがあったはずじゃん」
大学四年のとき、僕はほとんどシーラに会っていない。
最後に顔を見たのは、秋口に何故か校門で待ち伏せされていたときだ。
それ以来、一度もない。
何故か会社に押し掛けられたことはあったが、運よく遭遇することはなかった。
しかし、よく覚えているなと感心する。
「んー、具体的に犯罪関連という訳じゃない。おそらく、そういう次元の話ではないと思う」
「奥歯に物が挟まるような言い方するねえ。――別の意味での厄介ってこと? なんなの、それは」
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