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「彼も死んだの?」
「そうよ。ちょっとまって、LINEをみるから……あ、あった。去年の五月に病気で死んでる。あたしは行ってないけど、同期の何人かがお葬式に顔を出しているから」
去年の五月といったら、行政書士として仕事を始めたころだ。
親のツテで神社の駐車場の申請とかで四苦八苦していたとき。
その頃に、俊は死んだのか。
シーラのように。
まさか、自殺じゃないだろうな。
「だから、病気だって。まあ、お母さんの話ではなんの病気かよくわからないらしいけど」
「……死因不明ってこと?」
「そうなるか。誰も遺体の顔は見させてもらえなかったらしいよ。随分、やつれていたらしいし。でも、何の病気かはわからない。たぶん、梅毒じゃないかって噂」
「あいつは、確か、一浪していたから年齢は一つ上だけど、それでも随分と早く死んでしまったもんだね。夭折ってやつか。哀しいな」
「とはいっても、あいつ、処女が大好きで学生時代にあいつに喰われたのってけっこういるから、生きている間は好き放題にやれたんだから満足じゃないの?」
「確かに……そうだけど」
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