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僕の抱いたものと寸分狂いのない柿沢評に苦笑する。
オリエンテーション直後に、地方から上京してきた女の子に声をかけてさっそくホテルに連れ込んでいたエピソードを思い出した。
ただ、遊びでしかない俊とは対照的に、その子はぞっこん惚れこんでしまいカリキュラムはおろかサークルまで合わせようとしたのをうっとうしく感じたのか、いきなり冷たくあしらうようになって、酷いショックを受けた彼女は退学してしまった。
嫌になる話だった。
ああ、そうだ。
俊の態度の余りの酷さに、僕は彼から距離を置くようになったのだ。
一緒にされたくないということもあった。
シーラも彼のことをよくは言っていなかった記憶がある。
「……そっか、俊も亡くなったのか」
シーラと一緒でまだアラサーにもなっていないのに死ぬのは可哀そうだと思った……
とはいえ、俊のことは基本的にどうでもいい。
――はずだ。
なのに、僕の脳に何かが引っかかった。
「……俊が、どんな風に死んだか、知ってる?」
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