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 黒板消しを一瞥してからクリーナーを止めた。ニッタさんのヘラヘラ顔は止まってはいなかった。 「流石は黒板係! 鮮やかなクリーニングだね」 「こんなの誰がやっても変わらないよ。褒めるなら、このクリーナーを褒めなよ」  ニッタさんを流し目に、黒板消しを元の場所に戻してから窓の方へ歩き出す。空にはカラスが2羽羽ばたいていた。それを少しばかり眺めていたが、瞳に夕日の眩しさが刺したので顔を逸らした。    逸らした先に映った時計は、完全下校時刻まで23分前を知らせていた。
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