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メリッサ様がいなくなってから、開かずの部屋となっていた部屋の鍵を開ける。 皆が緊張しているのが分かる。 何か起こるかもしれないと、恐る恐る扉を開ける。 本当にここにメリッサ様がいるのかしら…? 「開けるぞ」 「勿体ぶらずに旦那さまお早く」 一ガチャッ一 最初に入室したのは旦那様、つづいてマクス、そして私。 室内は掃除されていないのに、埃っぽくもなく綺麗だった。 コトッ 突然書き物机から何かが落ちる 皆が一斉にそちらに気を取られて何が落ちたのか確認しようとした時だった。 私達だけしかいないはずなのに、どこからか女性が現れて、落ちた物を拾い上げる。 「あなたは…?」 女性がこちらへと振り向いた。 この方は? やはりこの女性は先程みかけた女性だ 「メリッサ…」 旦那様が声をかける。 「お二人ともどなたに話しかけておられるのですか?」 マクスは怪訝な顔をしていた。 「こんにちは、お久しぶりと言うべきかしら旦那様と…」 「え、エリーと申します。メリッサ様」 ニコッと微笑む女性。この方がメリッサ様。 緩やかに波打つ金髪の美しい髪に、透き通るような肌、
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