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「そんなに緊張せずともよい」
「旦那様、子供相手にそういう話し方は怖がらせてしまいます」
「別に普通に話しているだけだが」
「威圧感がありますので……怖がらせてしまうかと」
「この私が?私が怖いか?」
ずいっと子供の正面に立ち話しかける旦那様。必然的に見下ろした体勢となり、相手を萎縮させてしまう。男の子は被っていた帽子を脱ぐと、胸の前で握りしめていた。必死に泣きそうになるのを堪えている様子だった
「旦那様、質問させてくださいませ。」
「ここは私の邸だから私の管轄だ」とか
何か言っている旦那様を押し退けて、
男の子の目線に合わせるように屈んだ。
「こんにちは」
ニコッと微笑んでからゆっくりと尋ねた
まぁ、知らない私から笑いかけられても、すぐには緊張が解けないわよね
男の子が私の微笑みを見てビクッとしていたことは気にしない
「このお花は僕がいつも持ってきてくれてるの?」
男の子は黙って頷く
「私に?」
男の子は頷いた
「えっと、どうして?あなたとどこかで会ったことあるかしら?
あ、怒っている訳ではないのよ、とても嬉しいわ。ただ、気になって…」
私は男の子を傷つけないように慎重に言葉を探した。
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