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男の子は、怒られるわけではないと知ると、ほっとしたのか話し始めた。 「た、頼まれたの。このお屋敷の女性に…渡すようにって。お、お姉さん、エリーって名前で合ってる?エリーさんに渡してくれって」 「私に?」 「うん。いいお小遣い稼ぎなんだ。お駄賃もくれるし、いつも花をお姉さんに渡すようにって。 でも、俺、ちょっとずるしちゃって、 玄関に置いて帰ってたんだ。えへへ。 だから、いつもきちんと渡さなかったから、てっきりそれがばれて怒られるかと…」 男の子はバツが悪そうにしていた 「誰に頼まれたんだ?」 旦那様が横から口を挟む 「んっと、俺が下働きしている宿屋の旦那さんからだよ。」 「宿屋の?ほぉーそうか。随分と命知らずの奴だな」 「ん?なんだよおっさん。うちの旦那さんはすげーんだ。俺みたいなもんでも働かせてくれるし、奥さんだってご飯いっぱいくれるし優しいんだ」 「奥方がいるのか?結婚しておきながら、人様の妻に花を…どこの宿屋だ?案内しろ」 「ただではやだよ」 「図々しいガキだな」 文句を言いつつも男の子に金貨を渡す旦那様 「わぁっこんなに!着いてきて」
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