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私達はソファーを勧められてご主人と向き合って腰掛けた。 マクスは壁際に佇む。 「尋ねたいこととはなんでしょう」 「レオが届けてくれているお花のことです」 「もしかして、あなたがエリーさん?」 宿屋のご主人が私の名前を尋ねるので、驚きながらもそれに答える 「はい、いつもお花を頂きありがとうございます。それで一一」 「エリーに惚れているのか?奥方がいながら…むぐっ」 またしてもマクスが無表情に旦那様の口を塞いでいた。 その様子をご主人は怪訝そうな顔でみているので、慌てて注意を逸らそうと試みる 「だ、旦那様とマクスはとても仲が良くて…き、気にしないでください」 旦那様はマクスの手をふりはらうとご主人に向かって叫び出した。 「いいか!金輪際、エリーに近づくな。だいたいこんな1輪の花でエリーが靡くとでも思ったか」 「あはははっ」 突然笑い声がして、その声の方を振り向くと、朗らかに笑った女性がお茶を運んできていた 「ターシャ、笑うなよ」
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