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「だって、あんたが…いや、失礼しました。私はここの女将のターシャと言います。うちの人が何やらご迷惑をかけたようで、代わってお詫びします。」
「俺は何も」
「あんたのそういう言葉の足りない所が問題なんだよ。さあさあ、まずはこちらでご一服を。」
ターシャさんはそう言ってお茶を用意してくれた。
私達は、一息つくと、ターシャさんの言葉を待った
「いえね、立ち聞きするつもりはなかったのだけれど、声がきこえてね、
では、あなたがエリーさん。
で、こちらは…旦那様なのでしょうね。そうですかぁ。エリーさんはご結婚されているのですかぁ。
それは…残念…
いえ、これは旦那様のことを否定している訳ではないのですよ、
ねぇ、あんた」
ターシャさんはご主人と目線を交わすと戸惑っていた。
旦那様が何か話そうとするとマクスがズイズイっと近づくので、旦那様も観念して口を噤んでいた。
それでも言葉を挟もうとした時は、私が旦那様の腕をつついて制止した。
私につつかれると何故か喜ぶ旦那様。気のせいかしらね。
「実は、あの花は、ある騎士様に頼まれたのです。
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