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ここを出ても、あの家に戻るつもりはない
一度も手紙さえも送ってこない
父は、女性蔑視の塊のような人だった
ここを出て、姓を捨てて自立できるように働こう。
先日知り合った宿屋の方に働かせてもらえないか相談してみようかしら
「エリー様?」
「あ、ごめんなさい。私から誘っておきながら考え事をしてしまって。
提出のことなのだけれど、マクスが出してくれたのでしょう?
自分で出そうと思っていたのだけれど、
」
「私は、何も致しておりませんが」
「え?だってそんなはずないでしょう?
今朝出そうと思って、机に確かに置いていたもの。
でも、見当たらなかったわ。てっきりマクスが出してくれたのかと」
「私は許可なくそんなことは致しません」
「えぇっ、確かに言われてみればみればそうよね。では、書類は一体どこに」
「まさか旦那様が…」
「旦那様がどうして?」
「いえ、確認して参ります。」
「私も一緒に行きます」
私達は旦那様の元へと向かった。
旦那様は部屋にはいなかった。
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