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一目散に駆け出して、ドシンドシンと足音響かせ、息も切れ切れにまみの元に駆け寄る
手にはもちろんあのアクセサリーケースを持って
「まみちゃん、今日が何の日か覚えてる」
照れ笑いを浮かべる亘さんに向かってちょっと意地悪をする
「今日?4月1日だから、エイプリルフールね」
「あぁ!そうだけども!僕達の記念日だよ!はい、これ!」
ふふ、全くこの人は…不器用な人ね
早く早くと差し出される小箱を「何かしら?」ととぼけてまみは受け取る
「わぁ、綺麗!ありがとう!亘さん
私からもこれを!腕時計よ」
初めて見ましたという演技がちゃんとできたかしら
指輪はすっぽりと薬指に綺麗にはまった
「わぁぴったり!亘さんもつけてみて」
「あぁ、あれ、あ、ちょっと、きついかも…… 僕達あの頃に比べて太ったもんね
あっ、まみちゃん指輪のサイズ大丈夫だった?」
「えっ?嘘でしょう、亘さん、腕時計…調整間違えたのかしら」
そう、10年前婚約指輪のお返しに私は亘さんへは腕時計をプレゼントした
今回も腕時計をプレゼントしようと、あの頃と同じ長さでベルト調整してもらったのだ
なぜきづかなかったのだろう…
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