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「ごめんなさい、亘さん、私、サイズ、本当にごめんなさい
……一緒に今度時計店へ行きましょう」
「大丈夫だよ、まみちゃん、気にしないで
まみちゃんが喜んでくれたなら嬉しい
あれ、でも…もしかして、指輪……知ってた?」
明らかに10年前よりふくよかな指に、ピッタリとはまっている指輪。
それを見て亘はおかしいなと疑惑の眼差しをまみに向けている
「え?なんのこと?」
そう、私は明細書を持って指輪のサイズ直しをお願いしに行ったの
明細書不要欄にチェックするのも面倒だったのね
そのおかげであなたに気まずい思いをさせなくて済んだのだから、よしとしましょう
なのにごめんなさい
あなたのサイズを見落としてしまう私を赦してね
だって指輪がはまらなかったら、あなたは私以上に悲しむと思ったから
あなたの悲しむ顔を見たくなくて…
エイプリルフールに入籍するなんて嫌だったけれど、あなたの言った通り覚えやすい記念日だったわね
抜けてる私達だからでしょ?
うっかり記念日を忘れても
嘘だとごまかせるものね
こんなことを考える私に愛想をつかさないでね
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