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この騒ぎで起きちまったんだろう。
俺等は、この時点では気付かなかったが、アパートの前には深夜にも関わらず人集りが出来ていたらしい。
刑事達が撤収した頃には、外はもう薄明るくなっていた。
「流石に、お腹が空きました…」
徹夜でハイになっている鈴木は、刑事達が帰った後、夕飯に食う筈だった飯を朝飯に食う事になった。
「今、レンジで温め直すねー」
1番寝てた筈の山村も眠そうだ。
「山村。俺等2人分と香澄の朝飯は俺が作る」
俺はテレビを点けて台所に立つと、小せー冷蔵庫を開けてメニューを何にしようか考える。
牛肉、筍、ピーマン、パプリカ…決めた。
青椒肉絲でも作るか。
起きたてだし、中華だし、山村の炊いてくれた赤飯がまだ残っていた筈だから、作るのは、それだけで良いだろう。
俺は山村がレンジを使っている隣で、手を洗い始めた。
と、ワンルームのテレビからアナウンサーの声が聞こえてくる。
『昨夜未明、○○県○○市のアパートに強盗が押し入りました』
「山村先輩、千夜くん。僕達のアパートが映っています」
「えー!?どれどれー?!」
レンジが鳴っているにも関わらず、山村はテレビを観に行く。
俺もピーマンを縦ぎりにしながら、テレビの音声に耳を傾けた。
『押収した刃物の指紋から容疑者は近くに住む和田信広(わだ のぶひろ)30歳と見られており、警察では行方を追っています』
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