17人が本棚に入れています
本棚に追加
皇先生
今日は、昨日に引き続き、九条先生の病院へと来ている
色々話を聞かれたり、あちこち検査行ったり……
「結君、疲れませんか?」
「大丈夫です。如月さん、ずっと付き合ってくれて、ありがとうございます」
「あとは、受診だけですからね。早く呼ばれるといいですね」
「はい」
「お、居た居た。これから受診か?」
「九条先生。予約入れてくれて、ありがとうございます」
「あちこち検査に行かされて、疲れてないかい?」
「九条、子供でもこんなに検査させられるもんなのか?受診前に、検査と待ち疲れで具合い悪くなるぞ」
「まあ、そう言うな。全身チェックしてもらえる、いい機会だと思え。あと、何処にでもある科ではないから、どうしても混む」
「朝比奈さ~ん。朝比奈 結さ~ん」
「あ!はい!」
「やっと呼ばれたか」
「どれどれ、俺も顔だけ出しとくか」
診察室へと入ると……
うわぁ……綺麗な金髪に……綺麗な色の瞳……
「こんにちは。朝比奈 結君」
「こんにちは」
「皇、突然無理言ってすまなかったな」
「……九条、シメイブルーって……知ってるかな」
「突然なんだ?シメイブルー?色の種類か?」
「かつて、修道院でしか造られていなかったビールでさ……容量が大きければ大きい程、ボトル内で発酵して、まろやかな味になってくそうだよ……」
「……わ~かった、分かった。今度な。んじゃ、俺は全くの専門外だから頼む」
「ok」
そう言って九条先生は出て言った
「さてと、僕は皇。結君って呼んでも?」
「はい」
「何時間も病院に居て疲れたでしょ?」
「いいえ。俺は、検査とか色々してたので……」
「そっか。なんか、昨日具合い悪くなっちゃったんだって?」
「はい。車で寝てたんですけど……目が覚めたら、なんか……だんだん息苦しくなっちゃって……上手く息出来なくなっちゃって……」
「そっか。寝てる時とか、寝る前は大丈夫だったのかな?」
「はい…………」
あれ?寝る前に……
なんか……
「ん?なんか、気になる事あったかな?」
「あ……気のせいかもしれないですけど……」
「うん。気のせいでも気になる事あったら、聞かせて欲しいな」
「なんとなく、具合い悪い訳じゃないんですけど、何て言うか……落ち着かない感じって言うか……それで、車に酔ったのかなと思って、眠ったんです」
そうだ
そうだった
「そっか。じゃあ、寝る前から、なんとなく普段と違う感じはあったかもしれないね?」
「はい」
「それで、その苦しいのは、どの位で治まったのかな?」
「えっと……」
如月さんの方を見る
「多分、10分位だと……。以前見た事があって、袋被せようとしたんですけど、なくて……両手で囲うようにしてたら、落ち着いていきました」
「そっか。結君、怖かったかな?」
「はい。死んじゃうんじゃないかと思いました。また、同じ様になったりしますか?」
「そうだね。そうかもしれないから……今度は、そうなったらなるべく、ゆっくりと息を吐くって、自分でも覚えておこう」
「はい」
「……あの…もしかして、私、余計な事してしまいましたか?」
如月さんが、不安そうに皇先生に聞く
最初のコメントを投稿しよう!