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如月 叶
「はい。……如月か。………ああ。…………そうか。…………ああ」
受診が終わって帰ったのか
九条の奴、ちゃんと信用出来る医者に診せたんだろうな
「……何だと?……」
何だ?
「………まあ……それは、そうかもしれないが………ああ……そうだな。また、連絡する」
「どうした?何か問題が?」
「受診は問題なく終わりました。軽い安定剤の様な薬を出してくれたようで、飲み始めですから、また2週間後に来るように言われたそうです」
安定剤……
「子供に、そんな物飲ませて大丈夫なのか?」
「児童の専門医ですよ?ちゃんと考えてますよ。それより、如月が、叶を結君に会わせたいとの事ですが?」
「叶を?必要なら仕方がないが、必要最低限にしろ」
「ですが、今後の事を考えると、透哉には通常の仕事を、叶には結君の付き添い等を頼む方が効率的ですから、接触が多くなるのであれば、きちんと関係を築いておいた方がよろしいかと思いますが?」
「………逆にしろ」
「透哉と叶をですか?まあ……ミスするという事はないでしょうが、最低限の仕事になりますよ?あなたがそれでいいのでしたら、構いませんが……」
「ちっとも良くない。だが、あんな奴を朝比奈 結の近くに置いておくのは、リスクが高過ぎるだろ」
「叶は、態度にこそ問題はありますが、元々の性格に問題がある訳ではありません。それに、私達とは違った角度から結君と接する者も、案外必要なのかもしれませんよ?」
こいつらは、また悠長に考えて……
「今、そんな刺激を与えていいのか?」
「人の嫌がる事が分からない奴ではありません。それと、ここ最近、透哉の仕事を、代わりに叶がしてた訳ですが……徐々に仕事が溜まってきております」
「そんなに仕事の出来ない奴だったか?」
「叶のホームグラウンドはフランスですからね。やはり、日本だと思う様にいかない所もあるのでしょう。あくまでも、透哉が休憩中の繋ぎとしての雇用ですし。逆によくやってくれてるくらいですよ」
「………はぁ……。しかし、あれを朝比奈 結に………せめて、慣れるまでは透哉も傍に置いておけ」
「畏まりました。では、早速、透哉に連絡しておきましょう」
「少しでも問題があれば、すぐに叶を離せ」
「はぁ……はいはい」
「……おい?今……」
「もしもし。ああ、如月か?……」
こいつ、俺の心配を……
あの叶だぞ?
不安しかないぞ
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