如月 叶

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ピンポン 「はい。お、来たな」 ガチャ 「透哉!ようやく噂の甥……んぐっ…」 「か~な~た~?言ったよな~?んん?」 「ぷはっ!分かってる分かってる!で?結君どこ?」 「あっちに居るけど……叶……まあ、いいか」 「結君、この人は如月(きさらぎ) (かなた)。私の従兄弟で、私が休みの間は代わりに仕事をしているのですが、これからは結君に関わる事も多くなると思いますので……」 「初めまして、如月 叶です。一応俺もここのコンシェルジュ。これから、宜しく」 「あ、朝比奈 結です。宜しくお願いします」 如月さんと同じで凄く綺麗 でも、雰囲気が、如月さんと全然違う あ、どっちも如月さんか…… 「あの、結君。叶は去年までフランスに居まして……。父親が日本人なので日本語は話せるのですが、その……敬語というものが、少し……いえ、だいぶ不自由でして……結君にも、失礼な態度をとってしまう事があるかと思いますので、その様な時は、すぐに私に仰有って下さい」 「いえ。ほんとは敬語なんて使ってもらわない方がいいですから、全然大丈夫です」 「だってよ?透哉。あ、結君。俺の事は叶って呼んでね?ややこしいから、透哉も、透哉にしてもらったら?」 「結君、騒がしくないですか?もう少し声、小さい方がいいですか?」 如月さんが、なんか、お兄さんみたいになってる 「大丈夫です。話せる人が増えて嬉しいです」 「結君。昨日、透哉と寝たんだって?大丈夫?何もさ……」 バシッ 「いてっ!何すんだよ?!」 如月さんが、叶さんの頭を叩いた 「イチイチ余計な事言うな」 「大事な事だろが!」 如月さんの笑顔が……引きつっている こんな如月さん、初めて 「ふっ……ははっ……あははっ……如月さん…いつも凄い格好いいのに……あははっ……」 「結君……」 「何?透哉、そんな気取ってんの?」 「如月さんは、いつも綺麗で格好よくて、優しいです」 「じゃあ、俺が、そうじゃない透哉を教えてあげるね?」 「叶?そんな事は誰も頼んでないよ?」 「ふふっ……如月さんと叶さん、凄く仲良しですね?」 「結も、何でも言って。俺は全然ため口でいいし、お兄様だと思っていいよ」 お兄様…… 「調子に乗るなよ?叶」 「ありがとうございます。兄弟欲しかったので、本物じゃなくても嬉しいです!」 「そっか。じゃあ、遠慮なくお兄様に、何でも言いなさい」 「はい。……ふふっ」 「お前……伊織に殺されても知らないからな……」 「誰に気遣ってんの?結が楽しいのが1番だろ?それ以上に大事な事ある?」 「………ふっ……そうだな」 「結、今日の晩ごはん何食べる?」 「え?叶さん……一緒に食べてくれるんですか?」 「結が一緒に食べて欲しいんならね」 「一緒に食べたいです!」 「じゃあ、食べよ。何食べようかなぁ……」 叶さんみたいな人初めてだ なんか……… 教会の人達に少し似てる 「俺、今日はハンバーグが食べたいです」 「いいね。俺もハンバーグにしよ」 広いレストランで、叶さんと話ながらの食事は、やっぱり物凄く美味しくて、物凄く楽しかった
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