歩み寄り

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「結、特にする事ないならさ、ジムで一緒に運動しない?」 「えっ?!いいんですか?気になってたんですけど、使い方よく分からなくて……」 「全然いいよ!俺も鍛えたいし!」 「行きます!」 「よ~し!鍛えるぞ~」 「ランニングマシンとか、バイクとかが簡単だよね?速度とか傾斜とか、ペダルの重さ変更したりね」 「はい!」 「これは、腹筋を鍛えるマシンで、重さを変える事が出来るよ。こっちも、重さ変更出来る、胸筋を鍛えるマシンで、そっちは背筋。あっちは大腿四頭筋」 「すご~い。叶さんがやってるとこ、見てみたいです!」 「俺の?そんな見たい?」 「見たいです!」 ちょっと待って 何?この子 可愛い過ぎない? なんなら、うちで昔飼ってたシャルトリューのアビーちゃんより可愛いくない? 「すご~い!叶さん、鍛えてるんですね~!」 「まあね」 「腕、少し触ってもいいですか?」 か……可愛い!! なにその、上目遣い 「いいよ」 「うわ~。凄い筋肉。俺も頑張ったら筋肉付きますか?」 結は、筋肉付けなくていいよ 「そうだなぁ。でも、まずは、しっかり食べて、軽い運動からかな」 「そうですよね?」 「でも、せっかくだから、ちょっと試してみる?」 いくつか、試しに、重りを軽くしたマシンを試させてみたけど、 「う~~~っ!」 真っ赤になって頑張ってる~ 写真撮りたいな 「っはぁ~……全然ダメです~」 「ははっ。俺も最初はそうだったよ」 「ほんとですか?!」 「うん。だから、そんなガッカリしないで」 「はい!」 「疲れたね~。お風呂入ろっか」 「はい!」 「でも結、ランニングとか、スタミナは結構あるんだね?」 「毎日の様に、山の中走り回ってたので……」 「そうなんだ。楽しそう」 「そんなに大きな山じゃないので、友達も皆、細い道まで知ってて、よく遊んでました」 「分かるわ~。俺も田舎育ちだから」 「フランスの?」 「そ。フランスも田舎は田舎なの」 風呂に入る為に服を脱いでると、隣から視線を感じる ん? ああ、腹筋見てんのかな 「触ってみる?」 「えっ??あ……い、いえ!……すいません」 真っ赤になって、視線を逸らす 父親と暮らしてたんだよな? 腹筋が見慣れないだけか? 何でもいいけど可愛いな 「っはぁ~。気持ちいい~」 「この前から思ってたんですけど、ほかの階の人達って全然見かけませんね?」 「この階に他の階の人が来る事はないよ?勿論、加賀美 伊織への客としてなら訪問するけど、風呂やジムを使う事はないね」 「え?!こんな大きなマンションなのに、他の階の人達、来ないんですか?!」 「マンションって言うか、加賀美グループ関連のオフィスとか、関連会社のオフィスとか……まあ、加賀美関連に都合のいいビルだよね。勿論、普通にマンションとして使ってる部分もあるけど」 「そう……だったんですか…」 「何?透哉の奴、そんな事も説明してないの?」 「あ、いえ……来て早々、俺が次々と色んな事して、如月さん、ずっと大変だったので……それどころじゃなかったんです」 透哉や佐久間を責めたところで、益々気を遣わせるだけなんだろな 「……そっか」
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