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お前の好きにしろ
それは、突然やってくる
最初は、如月さんと車に乗ってる時だった
九条先生と3人で楽しくご飯食べて、如月さんに、景色のいい場所に連れてってもらって、凄くいい1日だったのに
何となく胸がモヤモヤすると思ったら、息苦しくなって、気付いたら変な呼吸してて……
そのまま息出来なくて、死ぬのかと思った
今日は、加賀美さんと、皆で外食
この前、加賀美さんに不快な思いさせちゃったから、少し緊張してたけど
加賀美さんは、しばらくゆっくりすればいいと言ってくれた
加賀美さんに、そんな風に言われたのは初めてで
凄く嬉しくて
食べた事もない豪華な食事は美味しくて
立派な庭は綺麗で
最高の1日だと思ってた
なのに……
皆で雨に濡れる庭を見ていると
胸がモヤモヤしてきた
そして、息苦しくなってきて……
これって……
発作を起こした俺を、如月さんと叶さんが、心配して声を掛けてくれている
苦しい……
薬……飲んでるのに……
なんで楽しい日にばっかり……
また、皆に……加賀美さんに迷惑かけちゃう……
早く治めようと息をするけど、全然苦しいの良くならない
「結君、ゆっくり息しようね」
如月さんに言われて思い出す
皇先生も、そう言ってた
でも、苦しいのに、ゆっくりなんて無理……
「結君、少しずつでいいから、ふぅ~って息吐こうね」
「結、大丈夫だよ。すぐに治まるからね」
頭……ぼーっとする
ふぅ~って吐く
すぐに治まる
「そうそう。結君、上手。ゆっくり、ゆっくり」
「結、だいぶ落ち着いてきたよ。もう大丈夫」
苦しいの……楽になってきた
頭も、ハッキリしてきた
しばらくすると、すっかり治まった
びっくりした……
なんで、こんなタイミングで……
気付くと、加賀美さんさんが、すぐ傍まで来てくれていた
「……大丈夫…なのか?」
「……加賀美さん……すいません……急に……苦しくなっちゃって……」
「……もう、苦しくないのか?」
「はい……落ち着きました。如月さん、叶さん、ありがとうございます」
そう言って起き上がる
汗……凄い
体……変に力入れてたからかな……
まだ少し手が痺れる
そんな事を考えてると
ふわっ
あれ?この匂い……
「……っ…加賀美……さん……?」
加賀美さんが、俺を抱き締めてくれた
「あっ……あの…俺、今…凄い汗かいてて……」
少し、両手で胸を押してみるが、全然動かない
「……そうか。そんなに苦しかったか」
あ……
「でも、もう大丈夫です」
?
加賀美さん?
「……大丈夫じゃなくてもいい」
「え?」
「大丈夫じゃなくても、誰もお前を咎める者はいない」
「……え?」
「いつでも楽しそうにしてなくたっていい。笑いたくない時は笑わなくていい。嫌な事は嫌と言っても、怒っても、泣いてもいいんだ。ずっと楽しそうに笑われてると……俺は、気付けないんだ……」
「………怒っても……?」
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