初対面

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初対面

今日、俺は初めて、まともに朝比奈 結と会う 仕事の都合をつけ、夕食を一緒にし、話をしようと決めた 「……はぁ」 何を話せばいいのか 俺が叔父だと言うべきだろうか それは、選択肢を奪うのではないだろうか だが、いつまでもこのままでは居られない まずは、挨拶だけでも…… 「副社長。少し深呼吸でもして、リラックスして下さい。そのオーラで会ったら、結君が緊張して話どころではなくなります」 運転をしながら佐久間が言ってくる 気付いた時には、佐久間も如月も結君と呼んでいた 何故、俺より馴れ馴れしいのか 「どうぞ」 椅子を引かれ座る 正面には朝比奈 結が座っている 右の眉の辺りには傷を覆うテープが貼られている 「あ、あの……加賀美さん…ですか?」 「ああ。加賀美 伊織だ」 「あの……俺、加賀美さんからの返信も待たずに来ちゃってすいません。それから……来て早々、色々迷惑かけちゃってすいません。それなのに、凄く皆さんに親切にしてもらって、感謝しています。ありがとうございます」 待ってましたとばかりに、一気に話し出す 「……体の調子はいいのか?傷は、痛まないのか?」 「はい。全然。熱も下がって、もうすっかり元気です」 そう言って笑う朝比奈 結は、本当に顔色が良くなっていた 「明日、抜糸の為、九条の病院へ受診予定です」 佐久間が横から伝えてきた 「如月が連れてくのか?」 「その予定です」 まさか果実酒をジュースと間違えたり、椅子の角にぶつけて怪我をするだなんて思いもしなかった 「はぁ……」 思わず溜め息を吐くと、 佐久間が咳払いをし、睨んでくる 改めて正面を見ると、くるくるとした目でこちらを見ている 「あの…加賀美さん、父さんとは、いつ位の知り合いなんですか?」 いつ位? 生まれた時からだが…… 「……幼い頃から……大学までだ」 そう答えると、 「そうだったんですね」 と、とても嬉しそうな顔をした 食事が運ばれてきたので食べ始めると、朝比奈 結は、少しの間両手を組んで目を瞑り、その後 「いただきます」 と、食べ始めた 「美味しい~」 そう言って、どの料理も本当に美味しそうに食べる 子供とは、こういうものか? 自分が中学の時…… どんな美味しい物を食べたかなんて覚えていない…… ただ、テーブルマナーを学んでいたので、こんな食べ方は、しなかっただろう ナイフもフォークも使う順番が、あべこべだ 彩仁は、きちんと教えなかったのか? だが…… せっかく満足そうに食べてるのだから、今はいいか 小さな体なのに、ぺろりと完食した 「ほんとに、どれも凄く美味しかったです!ご馳走さまでした」 朝比奈 結がそう言うと、 「この前のオムレツも、とても美味しかったと言って下さったので、シェフに伝えたら大変喜んでおりました。ありがとうございます」 琢磨さんが、嬉しそうに、そう言っていた 何故だか、皆、俺より親しげだ
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