照れ隠し

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照れ隠し

あれ? 真っ暗…… 俺、寝てたんだっけ? 夜中に目覚めちゃったのか…… 凄く気持ち良く眠れた気がする 何時…… あれ? え? ここ…… 俺の部屋じゃない! えっ? 何処? 俺、寝ぼけてる? えっと…… 今日は、加賀美さんと食事をして、それから…… それから! 俺、発作起こして迷惑かけて…… 加賀美さん心配してくれて…… それから? 全然記憶ない どうしよう ここ、何処? ベッドから出て、部屋から出ようとすると、 「うわっ!」 テーブルの足に、思いっきり足ぶつけた 「う~~弁慶……」 うずくまっていると、 ガチャ ドアが開いて 「結君!大丈夫ですか?」 「佐久間さん……」 佐久間さんの家? 「どうした!大丈夫か?」 加賀美さんも居た! 「ちょっと、テーブルの足にぶつけただけです。あの……ここは……?」 「副社長室の隣にある、プライベートルームです。電気が点いてなかったので、見えなかったんですね。あ……裸足でしたね。スリッパ、スリッパ……」 「大丈夫か?」 副社長室の隣…… プライベートルーム……って…… まさか……会社? 「あの……ここは、加賀美さんの会社……なんですか?」 「ええ。そうです」 うわぁ…… 「す……すいません!俺……寝ちゃったんですか?」 「気持ち良さそうに寝てたな」 ひ~~~! 立ち上がって、頭を下げる 「すいません!大変ご迷惑おかけしました!えっと……戻ります」 「全然大丈夫ですよ。では、叶に連絡しましょう」 「透哉も一緒に来いと伝えろ」 あ……そっか…… 「あのっ……電車とか教えてもらえたら、1人で…」 「駄目だ!1人で歩いてる時、発作を起こしたらどうする!」 あ…… 「副社長……言い方……」 「あ……いや……落ち着くまでは、あまり1人で歩かない方がいい……それに、外は晴れたが、もう暗い。送ってもらった方がいい」 加賀美さん、心配して…… 「……はい。ありがとうございます。お願いします」 「では、私は電話をかけてきます」 そう言って佐久間さんが、部屋から出て行った 「あの……俺、もしかして……加賀美さんに、しがみついたまま…寝てしまったんですか?」 「ああ。透哉と叶で、いくら引き離そうとしても、離れなかったな」 うわぁ…… 無意識の俺…何やってんの?! 「ふっ……抱き抱えて歩いても、車に乗せても、全く起きなかったぞ?」 抱き…… そうだ! 車乗せるにしても、ここに連れて来るにしても、誰かが運ばなきゃならない 「あの……誰が俺を、運んでくれたんですか?」 如月さん?叶さん? 「俺だ」 「………え?」 「言っただろ。しがみついて離れないのだから、俺以外の者が運べる訳がない」 俺……加賀美さん……副社長さん…… 「すいません!あの……体、大丈夫ですか?」 どうしよう…どうしよう… すっごく偉い人に、何て事させちゃったの?! 「腕とか……仕事に…」 「大丈夫だ。問題なく、さっきまで仕事していた。俺だって、それなりに鍛えている」 そうかもしれないけど…… 人1人持ち上げるって、大変な事だよ…… 「……すいません」 「結、こんな事で、すいませんと謝るな。お前は、俺の部下じゃないし、俺は、お前の上司じゃない」 「加賀美さん……」 「こんな話し方だから……命令してる様に聞こえるかもしれないが……結に対して、そういうつもりはない。他の話し方が……出来ないだけだ」 加賀美さん…… 「はい」 聞いてみても… いいのかな…… 「加賀美さん、加賀美さんは父さんの事…」 ガチャ
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