傷痕

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傷痕

「……そうか。勝手にしろ」 「悪いが、仕事が残ってるんだ。これで失礼する」 どうしよう…… 気分悪くさせちゃった そりゃそうだ 勝手に来て、散々迷惑かけて…… 居ると迷惑なんだろうけど、それは加賀美さんが決める事だったかな…… 「結君……とお呼びしても宜しいですか?」 琢磨さんが話し掛けてきた 「あ…はい。皆そう呼んでいます」 「私は……佐久間さんや、如月さんの様に、加賀美副社長と近しい関係ではないのですが……結君の事を大切にされているのは分かります。その……立場上あまり、感情的になったり、思った事をそのまま口に出すという事が出来ないので、そういった事が苦手なのだと思います。ですが、結君の前では、とても感情的になられている様に見えます。きっと先程の言葉の裏には、様々な気持ちがあるのだと思います」 琢磨さん…… 「ありがとうございます。明日、如月さんと病院に行きますし、少し相談してみます」 「ええ。如月さんでしたら、きっといいアドバイスをしてくれると思います」 「はい」 翌日 俺は、病院に行く途中、如月さんに昨日の事を相談した 「なるほど。よく分かりました。そんな大人げない事を言う大人の話など真に受けなくていいのですよ?結君が戻りたければ、いつでもすぐに手配しますが、そうでなければ、もう少しゆっくりしてらして下さい」 「え?でも……」 あそこは加賀美さんのマンションなんじゃ…… 「ああ、そうだ。丁度いいので、九条先生にも話を聞いてもらいましょう」 「……はあ…」 九条先生、仕事中なんじゃ…… 「ちょっと目瞑っててな~」 「はい」 九条先生が抜糸してくれる 「はい、いいよ。う~ん……我ながら綺麗な縫い痕」 「ありがとうございます」 「それにしても君、全然怖がらないし、痛がらないね~」 「俺、しょっちゅう山の中で遊んで、怪我してたから、少しくらいの怪我には慣れてるんです」 「へぇ~?家の近くに山があったのか?……一応今日1日は絆創膏っと」 「はい。よく友達と、秘密基地作って遊んだりしてました」 「そりゃ、子供達の憧れの遊びだなぁ……さてと、今日は午後休にしてるから、これで仕事終わりなんだ。病院の食堂で良かったら、一緒に食べてくかい?」 「えっ?いいんですか?じゃあ、如月さんに聞いてみます」 九条さんとゆっくり話せる 父さんの話、ちゃんと伝えたいし、九条さんからも聞きたい
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