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「…つうかお前」
俺は稲瀬を見た。
「まさかくだらないフラれた話しだけするために俺ら呼び出したんじゃねぇだろな?」
「まさか…」稲瀬は ふっ と笑った。
「あんた達に頼みがあるから呼んだのよ」
「三千万からなら聞いてあげても良いよ」
「金ない人から巻き上げようとすんじゃないわよ!金は出さないわよ!その代わりにこれあげるわ!」
稲瀬が出してきたのはチューリップ柄の封筒だった。中身を見ると入っていたのは稲瀬が働いてるオカマバーのドリンク飲み放題無料券だった。
「二階堂、帰ろうぜ」
「だな」
椅子から下りて肩を組んで出口に向かって歩き出すと「ちょっと待ってよ!マジで助けてほしいんだってば!」と稲瀬が俺らにしがみついてきた。
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