2人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
1話
「可哀想になぁ、魔法が使えないだけで処刑されちまうなんて。」
「更にはなんだっけ。こいつの親は最後の面会までも断ったんだろ?」
意識がさほどない中、そんなような会話が聞こえてくる。
きっと声的に、今俺を担当している看守2人だろう。
重たいまぶたを頑張って上げると、目の前には薄汚い靴が2人分見えた。
「あぁ、「こんな出来損ないのゴミには話すことは無い」だっけ。」
「そうそう。」
きっと、俺の母親のことを言っているのだろう
俺の事を捨てた、張本人。
顔は、いまいち覚えていない。
けど、きっと僕は、母親を一生恨むだろう。
壁と床は今にも壊れそうな古いコンクリートに、ボロいカーペットだけの質素な部屋。
更には、腕に処刑人の印も刻まれてしまった。
こんな地獄みたいな生活を送ることになったのは、紛れもない母親のせいだから。
最初のコメントを投稿しよう!