花笑む紫杏

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「うるさい。お前も彼女作れよ。」 その顔を、紫貴はぐいっと手で押しのけた。 「しーくんのいけずーー。」 叫ぶ瑠杏を置いて、スタスタと学校の中に入る。 紫貴には、年下の彼女がいる。 別に特段可愛くもないし、ボーイッシュな女の子。 面食いらしく、一目惚れしました、と紫貴に告白してきた。 桜という名前のその子に、紫貴は、二つ返事でいいよと承諾した。 それから仲もよく、休日なんかには、一緒に遊びに行ったりもしている。 「もー。置いてくなんて酷いよ。」 後から追いついてきた瑠杏が、拗ねたように頬を膨らませる。
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