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ずっと…
アタシは肯定してほしかったのかも知れない…
お仕事頑張ったね…
いつも一生懸命に頑張ってるね…
と…誰かに言われたかったのかも知れない…
それが…彼氏ではなく…
フクベくんだった…
「あ、ありがとう…」
涙出そうで思わず顔を下に伏せた。
「晴香さん?」
アタシはグッ!と涙こぼさないように堪えると、顔を上げて笑う。
「ありがとう!そう言ってくれて…少し気が楽になった…そろそろ仕事の時間だから行くね」
ニコッと笑うアタシにフクベくんも「うん」と微笑む。
「それじゃあ…」
椅子から立ち上がり、フクベくんの横を通り過ぎようとした時…
手を掴まれる…
「フクベくん?」
フクベくんも立ち上がるとニコッと笑って…
「生クリーム頬に付いてる」
「え?うそ!鏡!鏡!」
バッグから鏡を出そうとした時…
ペロッ
「………っ!?」
「ごちそうさま…美味しかったよ…お仕事頑張って!」
タタタタタ…
走ってお店を出て行くフクベくん…
「キスしてた…」
「キスだよね…今の…」
「あ〜んやっぱりあの人彼女〜?」
店内中からのザワつきの声に顔が真っ赤になる…
「え…?え?え?え〜〜〜っ!?」
アタシは頬を押さえながら呆然と立ち尽くすのでした…
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