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07.嵐の夜
「なんか最近、新田くんすごい静かだね」
「本当。静かすぎて怖い」
あれから美玲は彼氏と仲直りしたらしく、元気を取り戻していた。とはいってもまだ少し凹んでいるみたいだった。でも最近は、新田くんのほうが元気がない。
二人で話していたら毎日のように話しかけてきていた新田くんが、最近は来ない。
たまに私……というか龍くんのほうをじっと見ている視線が気になるくらいだ。
美玲のことで落ち込むことがあったのかな、と私は内心思っていた。
ずっと美玲に片思いをして悩んでいたみたいだったし、何かあったのかもしれない。落ち込む理由は他のことかもしれないけれど、ずっと美玲のことで悩んでいたのを知っているので、なんとなくそんな気がした。
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