07.嵐の夜

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予報では土砂降りになるらしいので、まっすぐ家に帰るとまだお母さんは仕事から帰ってきていなかった。 夕飯はなんだろうなあと考えつつテレビを見たり雑誌を見たり過ごしていた。今日も龍くんの帰りは遅いんだろう。 何をしているのかずっと気になっているけれど、聞くと怒られるので我慢している。テレビを見ながらぼうっとしていると、めずらしく電話が鳴り、スマホを手に取る。 『もしもし春菜?』 「お母さん? どうしたの?」 お母さんから電話なんてめずらしい。でもいつもならもう帰ってきている時間だから、何かあったのだろう。 『今日帰れそうもないから、春菜に言っておこうと思って』 「え、帰れないって?」 『この嵐でしょ? 電車が動いてなくて、帰るのも大変だからお父さんと近くのビジネスホテルに泊まることにしたの。夕飯はなんとかなるわよね?』 「う、うん。それは大丈夫だけど……」 『龍くんにもよろしくね。戸締りちゃんとしてね。明日の朝には帰るから』 「わかった。気を付けてね」 電話を切って、リビングのカーテンを開く。 私が帰ってきた時よりもさらに激しい雨風になっていた。窓を打つ雨の音がうるさい。お母さんたちが帰ってこないとなると、急にお腹が減ってきた。 龍くんは夜遅いだろうし、自分の分だけ夕飯を作った。普段お弁当を作っている要領で作れば簡単だ。オムライスにした。 テレビを見ながらオムライスを食べて、少ししてゆっくりお風呂に入る。両親がいないのでいつまででも入っていられる。
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