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昼休み、いつも通り龍くんとお弁当を食べている。
すっかりこの日々にも慣れて、美玲たちも昼休み私がいないことになにも言わなくなった。
「春菜、今週の土曜予定ある?」
「え? ないよ」
「じゃあ出かけよう」
「どこに?」
突然なんの話か、まだついていけていない。
「どこでもいい。春菜が行きたいとこ」
「どうして?」
「話があるから、二人になれるとこに行きたいだけ」
話ならここでだって、家でだってできる。でも真剣な顔をしている彼にそんなことは言えなかった。
「……わかった。考えておくね」
急にどうしたんだろう。
話って、もしかして夜のことを教えてくれるのかな。
龍くんについての悪い噂はいくつもあるし、夜帰ってこないのも気にかかるけれど、今隣にいる龍くんを信じたい。
昔から知っている龍くんが、悪いことなんてするわけがない。
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