09.最悪の展開

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教室に戻ってから放課後まで、ずっと龍くんのことを考えていた。 話の内容も気になるけれど、それよりどこに行ったらいいのかと考える。休日に男の子と二人で出かけるなんてしたことがない。グループデートの時みたいにカフェにでも行けばいいのだろうか。 (……ていうかもしかして、デートってこと?) 今度は友達がいるデートではなくて、二人きり。しかも彼氏のフリをするための打ち合わせを兼ねたデートでもない。 これは大変なことになった。 グループデートの時に着たスカートをまた着るわけにはいかない。でもまともなデート服なんてもちろん持っていない。せっかくから可愛い格好をして龍くんと歩きたい。 窓際にいる美玲に声をかけた。 「ねえ美玲、今日服見に行かない?」 「……あ、ごめん。今日ちょっと予定があるんだ」 「そっか、わかった」 「ごめんね、ばいばい!」 美玲は慌ただしく教室を出て行った。 いつまでも美玲に頼ってしまってはだめなのかもしれない。人に頼ってばかりではセンスも磨かれない。何冊雑誌を見て研究したことか。 今日は一人で駅ビルに行って、デート服を吟味しようと気合いが入り、教室を出た。 学生玄関を出て校門へ向かっている途中、見覚えのない制服を着た男子三人が校門前をうろついていた。通るの嫌だなあと思い目立たないように端をのろのろ歩いていると、男たちは校門を通る女子に声をかけていた。 「ねえねえちょっといい? 黒磐龍介って知ってる?」 黒磐龍介、という名前に足が止まる。 「し、知りません!」 声を掛けられた女子は、そのまま走り去っていった。その様子を見ていた私は男たちと目が合い、こちらに寄ってくる。
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