夕暮れ夏の神隠し

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夕暮れ夏の神隠し

17歳の夏。 夕暮れ時の町を歩いてた。 友達と推しのライブに行って、散々楽しんでからの帰宅の最中だった。 もう日はすでに傾いていて空は闇に取り込まれそうな色を届けている。 歩いていく道は静かで時折どこかの家族の談笑の声が聞こえる程度。 私は疲れ切ったその足でのんびりと家路を辿っていた、そのはずだった。 気づけば、朝になっていた。 いや、天高く昇った太陽から朝というより昼が近いだろうか。 体が重くなって、視線が段々と高くなっていったと思ったら、 周囲の音が増して、人々のざわめきが聞こえてきたのだ。 非現実的な現象に思わず、ぼやけていた頭を覚醒させた。 すると、そこは私の知っている世界ではなかった。 見慣れた住宅街とは程遠い。 私は、赤レンガの中世的な家々が目立つ、石畳みの大通りの真ん中に立っていた。
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