エイプリルフール、延長戦

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エイプリルフール、延長戦

「で、結局お前が寝落ちたからえいぷ…………何とかのネタバラシが無かったわけだけど」 「その件に関しては本当に申し訳なかったと…仕事もやってもらったみたいで」 「それに関しては別にいい。あれだけ目を腫らした状態で戻っても同僚に何か言われて困るしな」 次の日、アメイの部屋にお見舞いがてら話を聞きに来た。 彼女はすでに元気になっており、俺を見るなりまず謝罪するほどだった。 「えーっと…何聞きたい感じですかね」 気まずそうに視線を右往左往させている彼女に思わずため息を吐く。 「別に何も聞かないし、今まで通り接する」 「へ?い、いいの?」 「いいも何もあれは嘘なんだろ?」 俺はあえて彼女の顔を見ずにそう言う。 窓の外を見ているふりをするが、窓に若干反射して彼女の顔が見えた。 軽く目を閉じる。 「ただ、お前が望むなら嘘が許されるその日だけ付き合ってやってもいい」 後ろから小さく嗚咽が聞こえた。 嘘が許される日。 一見聞こえは悪いがそれで救われる人がいるならいい日なのかもしれない。 少なくともこうして1人の人間が長年隠していた秘密を打ち明けるきっかけになったのだから。
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