第一章

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(やばい!ぼんやりとしている場合じゃなかった!新規の見学のお客様まであと1時間しかない!あー急がないと!) 麻耶は自分を奮い立たせるように、一度頬を軽く叩くとチャペルへ向かった。 水崎 麻耶 25歳 全国に数十店舗のゲストハウスを展開する大手ブライダル会社、ベストウェディング株式会社のウェディングプランナーになり3年目。 地方から就職と同時に上京し、一心不乱にこのブライダル業界に身を置いている。 身長は165㎝と少し高いが、胸は小さく凹凸の少ないからだが多少コンプレックスだ。濃い茶色の肩の半分ぐらいの髪を一つに束ね、なるべく上品に見える化粧を意識はしているが、ぱっちりとした瞳が返って幼く見える事を気にしている。 そんな麻耶が半年前に異動になった先が、満を持して3か月後の4月上旬にオープンを控える新しいゲストハウス、『アクアグレースAOYAMA』。 大きな2つのチャペルが売りの式場で、東京都内にありながら緑に囲まれた大きな大聖堂はまるで森の中に建つような雰囲気を醸し出している。
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