第一章

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大きなステンドグラス、ゴシック様式の細かな装飾が施された大聖堂は、いくつものチャペルをみてきた麻耶から見ても憧れる物だった。 そして、もう一つはまったくの異なった近未来を思わせるようなモノトーンを基調にしたチャペル。 現代の多様なニーズにこたえるために作られたもので、自由な発想で式をできるようにと作られたチャペルだ。 披露宴会場も4会場からなり、それぞれ雰囲気の違ったものになっており、全国にある会場の中でも最大の規模のゲストハウスという事もあり、社をあげて大きなイベントや宣伝を打つ予定だ。 そんな重要なポジションに異動になり、麻耶は仕事に奔走していた。 オープニングイベントの準備はもちろん、式場を見学にくるカップルの接客、すでに挙式日が決まっているお客様との打ち合わせと麻耶はやることで溢れていた。 ミスの無いように麻耶はポケットからメモ帳を取りだすと今日のやることをもう一度確認し、軽く息を吐いて大聖堂へと急いだ。 (えっと、今日は大聖堂メインのご見学だから……お花とチャペルの最終確認をして……うん、間に合うな)
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