第一章

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そんな事を思っている自分にハッとし、麻耶は時計に目をやると、「いやー時間!」ついそう叫び、慌てて花のチェックや、祭壇のチェックをバタバタと始めた。 クスクスと社長の笑い声に一瞬ムッとして動きを止めたが、すぐに仕事にとりかかった。 「社長!」 そんな空気を壊すように、チャペル内に響く声とともに、慌てた様子でこの式場の総責任者であり、館長の村瀬始が入ってきた。 「ああ、館長悪かったね。急に呼び出して」 「悪いと思っていますか?連絡なしに急にくるとかやめて下さい!」 社長相手にやけに語気の強い言い方をするな……。なんとなく気になり、麻耶はチラッと2人を目の端にとらえた。 「その方が社員の士気もあがるだろう?さっきその子には見学と間違われたぞ」 そんな始の言い方を気にすることもなくにこやかな笑みを浮かべて、芳也は麻耶に目を向けた。 (やめて!館長にそんなことばらさないでよ……) 麻耶は背中がスッと寒くなるような感じがして慌てて聞こえないふりをした。 しかし、そんな芳也の言葉などお構いなしに、 「え?ああ、水崎さんいたのか」
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