第三章『原詩菜と飴玉』

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 暫くすると振動も止まった。お姉ちゃんはホカホカのご飯とレンジで温めた煮魚をキッチン前のテーブルに運ぶが、スマホには見向きもしない。  気にならないのかな。 3ba0dc7d-5dfe-4a60-950c-1b5f26c51ea3  私だったら、誰からの連絡も一応確認するけど、今はいいらしい。  見たら? って促したいわけじゃないから、いちいち口に出さない。  お姉ちゃんとチョロッと話し、私は再びドラマの世界に戻った。  雨の街から消えた雨人の主人公が、再び雨の降る現実世界に戻ると、必ずこれまでの記憶が消えている。謎は深まるばかり……。 2671138f-1552-4dc9-be7c-1ef115cbfa83 「あ、そういえば今日、モールのスーパーで皐月君とお母さんと会ったのよ」 「珍しいね」 挿絵:寿司娘 様 / ゴリラの素材屋さん 様
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