第三章『原詩菜と飴玉』

48/148
前へ
/1176ページ
次へ
 調理担当のナミちゃんはこの場に居ない。調理の話し合いに参加した後は、部活に行くって言ってたな。教室に戻る頃には、もういない。 ceaf7a15-5dbf-4435-b562-98f5941024fb 「でもこの衣装、前のクラスが全部作ったんでしょ? すごくない?」  制服に着替えた子が、ワンピースをひっくり返して縫い目をチェックする。そりゃあ販売されてる物とは違うとはいえど、ミシンで丁寧に作られていてすごいんだ。 「衣装制作がないだけで、忙しさのレベルが違うよねー」  辺りの声に頷く。さぁ~作って下さい! で、作れる? 私は無理だな……どうにかその場限り、動いているうちに糸がゆるゆる解けるのでは? 二年先の文化祭には到底保管しておけないだろう。 3e3abae5-1f6c-4fa6-a50c-dd2c85a0f122 挿絵:今宵。様 / Poni 様 X:@256ki_ / @poniponi_arm
/1176ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加