第三章『原詩菜と飴玉』

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 提供する食べ物とメニュー表作りや、後は教室の内装。一年生のレトロ昭和喫茶と違い、うちのクラスはポップでカラフルがテーマ。可愛さを前面に出そう! ということらしいが、いつも教室がどこまで可愛く変化を遂げるだろう? 9d02376e-6bc9-4985-baca-f1e17f77be1c  メイド服の下から制服のスカートを履き、素のセーラー服姿に戻ると、二階を歩いた先の教室に戻る。……にしても、あっつい。  クーラーを効かせた空間から出るとすぐに、汗をかく。午後一、配慮はありつつ、炎天下での体育はもうフラフラ。年々温度が上昇するし、かと思えばいきなり冷える日もある。ぐしゃぐしゃの温度変化を繰り返す末、いつかは全てが宇宙に溶けそうだ。 bda885a2-0e16-4bb9-9e93-63c41518008f  開けた窓からは、煩いくらいの元気なセミの声。中庭の木々で鳴くセミは暑くないのだろうか。そういえば……去年ナミちゃんは、突然セミが鼻先に止まり、絶叫。それ以来、ナミちゃんはセミ恐怖症だった。恐い、怖いよ。 挿絵:なちゃ 様 / AI PICT 様 X:@sozaiya_create
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