第三章『原詩菜と飴玉』

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「ユウダイは友達も多くて、不安じゃない? 自分だけ見てほしいよね」 c5cd734c-dfad-4b32-a88a-55ac44b11d16  話が違う方向にいく。文化祭の話、してたじゃん。わたあめの話にも持っていけたらと思ってた。内心私は、良い逃げ道を見つけたと思っていた。  ユウダイ君の話は、今必要なくない? 不安? とかさ。 「あ、私邪魔なのか。ユウダイの話は今必要ないって?」  そうだよもう帰ってよ。なんて言えないし、上手く切り上げたいな……。 6eaf62e3-2f5a-4090-9347-67b1b427cbbd 「原さん」  ──入口扉の方から、運良く誰かが私を呼んだ。  顔を向けると、合原君がペンキの付いたハケを右手に持ち揺らす。 「暇なら看板塗るの、手伝ってほしいんだけど。人手、足りなくて」 挿絵:as 様 / なちゃ 様 X:@AIpic8888 / @xxas8888 @sozaiya_create
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