18人が本棚に入れています
本棚に追加
笑顔の合原君が左手で中を指差してすぐ、“ご~うはら~~~っ”メガネバシ君らしき声に呼ばれた。
「ちょっとは静かに塗ってろ、うざいっ塗れ」
メガネバシ君にだけ向けるトゲトゲの態度に、中からは笑い声が漏れてきた。
「私、行くね」
「あの人、私が詩菜を虐めてるって勘違いしたのかもね」
ワイワイ大変そうね。それじゃあまた。
意外にも微笑み、胸の前で微かに手を振るヤヨイと別れて教室に入ると、面積に広い板を床に四枚広げ、二枚は美術部員を中心に下書きを、もう二枚はペンキで色を塗っていた。
挿絵:ふじ◯ 様
X:@fujimaru_niji
最初のコメントを投稿しよう!