第三章『原詩菜と飴玉』

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「立体感……え。ベタ塗りできるトコを塗りたい」 「俺も、塗りたい」  左膝を立て腰を曲げる合原君は、笑顔でもっこもこの雲を塗る。右のユニコーンを塗る女子生徒が、やばいやらかした。隣の男子とコソコソ話をしているが、話に加わらなかった。  クラスに美術部は男女、それぞれ一名いる。あっちの板の下書きで、お互いの意見を冷静にぶつけ合う二人は拘りが強いから、一人でしたくない気持ちは分かる。……けれど── 「さっき……気を使って呼んでくれた?」 6c67dd6a-0b27-48f5-a914-3cf24c51501e 挿絵:AI 様 X:@AIillustration7
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