第三章『原詩菜と飴玉』

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「そっちのが合ってると思うから。お嬢様、とか。特有の……セリフを言えそうにもない」  雲を塗る合原君は、恥ずかしそうに額に触れる。  男子の衣装。制服のシャツに黒パンツ。ピンクの蝶ネクタイを付ける合原君は……私の脳内で真っ赤な顔を背けた。 「男子は案外嫌がる奴多かったんよ。暫く決まらなくてさ。今日もういない皐月は、どっちでもいいよーって笑ってた」 「意外、嫌な人多かったんだ。笑ってる皐月君、想像つくなぁ」 ef9b03a3-ad56-402d-9e0f-c1a83d28e523  まるく穏やか、ニコニコが多い皐月君は、とても話しやすい。彼のお父さんの仕事の関係でY街にやって来た皐月君とは、中学で知り合ったがもっと前から近くにいるような不思議な感覚である。 ed717df4-48b6-41e7-a13d-7966403df0fc 挿絵:夜ト 様 / 絵藍 様 X:@yotogami_0723 @ea_AIart12
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