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腰を屈め、大きな段ボール箱に両手を入れた所で、誰かが私を呼んだ。
「あら、犀川君」
「プロジェクター、運ぶんですよね。手伝えたらと思って」
「わざわざ来てくれたの、ごめんね。大丈夫だよ」
「いえ、偶然通りかかったので良かったら。前回の授業の終わりに、次回までプロジェクター使うって、先生言ってたような気がして何となく……来て良かった」
二年二組で詩菜の友達、近所に住む犀川皐月は真面目で、気の利く生徒だった。
実際、一直線に廊下を歩くのみ。わざわざ思い出して来てくれたのか。
「犀川君、ありがとう」
niji・journeyにて作成
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