第四章『原ちなつと哲学』

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 意欲的で成績の良い犀川君は、教員の間で評判が良かった。英語の授業も、真剣に、時には楽しそうに、犀川君は教壇を見上げる。ウトウトする姿なんて、絶対に見ない。 7a687552-7099-4deb-8a07-2fbfe1f03960  犀川君と仲の良い詩菜は、家でもよく彼の名前を出す。悪い話は一つもないし、良い友達なんだね、と思っていた。 59d8bcc5-5708-4497-840b-4806ce55bdf2 「あ、俺取りますよ」  重い物を距離のある場所へ運ぶ際、犀川君は声をかけてくれる。合原君も一緒だったり、気怠そうなメガネバシ君も一緒だったり。 『犀川は誰にでも優しいよな』  二組の子が言っていた。本当に、優しいのだろう。 01b2fc75-26cf-4628-a862-d20252baa06d 挿絵:まりちゃ 様(1) / Mee 様(2)    *ruru* 様(3) X:@5_wj7 / @mee_aiart31
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