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「おぉっあっぶねーっ!!!」
犀川君じゃない声が廊下に響くのと同時に、急に立ち止まる犀川君が、一歩後ろに下がった。
すぐ後ろにいたから、手に持つ教科書がUの字に変形し、おでこがポスッと犀川の君の背中に触れた。
「ごめんなさ〜い~っ!」
階段を下り右折した一年生は、体操服を着ている。右折した先の体育館へ急いでいたのだろう。
「こっちこそ、ごめんなさい」
授業開始直前、男子生徒はバタバタ走り去る。と同時に、犀川君はパッと私を振り返った。
挿絵:なちゃ 様
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