第四章『原ちなつと哲学』

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*  去年の年末に振られて半年経った六月に、ケント君から連絡が届いた。 76fec3bf-3fa3-4d5c-a701-cb946aea5c15  別れて以降連絡を取っていなかった。久しくケント君の現在を知る。特に変わった出来事もなさそうだった。  おはようからおやすみ、またおはよう、おやすみ……と。グダグダ続く流れは、付き合っているからこそ成り立つものである。グダグダを引き寄せるケント君に、私は毎回“またね”で区切りを付けていた。 62517bf4-cfd5-4edb-8756-005634b95968  彼氏じゃない。“会わない友達”のケント君に、彼女時期の気遣いはしない。話す内容もないやり取りは、優先すべき重要性はないかな。 1bba9a92-7bd3-4a16-897c-2ac1df71ae6f  六月から、ポツ、ポツ……ケント君からの連絡の頻度が高くなる一方、九月に“素行についてのとある問題”発覚後、帰宅してケント君希望の電話が、怠くて仕方がない。 5b6ef348-befd-41d4-a38b-a7d108668163 挿絵:as 様 / たろたろ 様 X:@AIpic8888 / @xxas8888
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