第三章『原詩菜と飴玉』

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 リビングに現れた姉の原ちなつは見るからに疲れていた。詳しく教えて貰えないが、夏休み明けにお姉ちゃんの学年担当の三年で、ある問題が起こったらしいのだ。 3c473c2a-5018-4da7-b4f2-baaca1405bb2  三年の先生たちは、その関係でバタバタしている。お姉ちゃんは直接関係ないとはいうものの、ノータッチとはいかない。 「ちなつ、先にご飯食べる? 煮魚とサラダとお味噌汁」 「食べようかな。あ、お母さんドラマ見てて」  手を洗って準備をするお姉ちゃんは、目が合えば笑う。授業中の明るい原先生もいつもと変わらない。お姉ちゃんの授業を受けるのも、数ヶ月経てば慣れたけど、でも“原さん”って当てられた時は、いつもムズムズする感覚だった。 503ec203-a012-4259-930f-9935d4a145ca 挿絵:as 様 / 或世 様 X:@AIpic8888 / @xxas8888 @murui_333
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