HANAMI道

HANAMIは日本の文化だと言いますが、とても素晴らしいデスネ。
今年もこの季節がやってきました。ワタシは毎年楽しみにしているのです。

SAKURAがマンカイ。お客様で賑わってます。HANAはワタシを惹きつけてやみません。相棒のキャメラを抱えてファインダーを覗き込み、シャッターを切らせていただきます。素敵な被写体が目の前にあるのでね。撮らないでいられますか？断じて、NOです。

パシャリ。ほら見てください。美しい写真が撮れました。
咲き誇るHANAという比喩的表現が特に気に入っています。この景色を表す言葉としてピッタリです。あとでインターネットにアップするとたくさんのイイネが押されるでしょう。みんなHANAが大好きです。

今度は角度を変えて。パチリ。Cool, いい絵です。
アップにするとよりクッキリと見えます。ディジタルキャメラは便利ですね。
うっすらピンクがかった色彩がマブシイです。ワタシはいつ顕微鏡を買ったというのでしょうか？細胞がひとつひとつまで鮮やかに見えています。何よりこの洗練された造形が良いですね。美の象徴たる存在です。

ワタシは常々、HANAMIという文化をもっと世界に広げるべきだとおもっています。一見して同じように見えて、一つとして同じものが無いHANA。神が創りし地球の神秘のヒトツです。
たまに国に帰るとき、みんなにHANAMIのことを話すと興味を持たれます。仲間たちはこぞってキャメラを担いで、HANAを撮影します。そしてその艶やかで非凡なフォルムに皆うっとりするのです。

日本に閉じてはいけません。世界中のありとあらゆるHANAは多種多様で、それぞれの魅力があるのです。世界で一つだけのHANAという歌が好きです。まさにあの歌詞の通りではないでしょうか。
十人十色。So many men,so many minds...
HANAを知れば人を知る。人を知れば争いは起きない。
平和。Love and Peace...

みなさん、HANAを眺めましょう。その滑らかな曲線、気品のある質感、あふれ出る生命力を愛でましょう。HANAはきっと、あなたの心を穏やかにしてくれます。

その通り。HANAMIは人々を幸せにする唯一の方法なのです。

今年も美しいHANAが並びます。
この人だかりはいつまで続いてくれるのでしょうか。SAKURAが散ると終わりなんて悲しいです。この瞬間が続くことを毎年同じように祈っているというのに。SAKURAが散り人が去った後の空間の寂しさといったら！
名残おしいです。たくさん写真を撮りましょう。

ああ、良いですね。この写りはGOODです。
いろんな角度で撮りましょう。下から撮りましょうか。おやおや、これはBAD。ちょっと汚れてますね。でもそんな子だっています。
HANAは時にはキュートです。むしろセクシーですって？YESと言わざるを得ないです。みんないい子なのです。

連射もいいですね。コンマ数秒のわずかかな動きに潜む変化を見逃しません。
風を受けてしなる姿もかすかな震えも。春によそぐウブゲの揺らぎも。
シャッター音が止まりません。動画ではダメです。瞬間を切り取りたいのです。HANAの煌めきです。下からもっとエグるように。クッキリハッキリと。
NICEです。興奮します。エキサイティングです。おっとアブナイ。気を付けないと吸い込まれてしまいますよ！でもその感覚がたまらなく快感でもあるのです！！
Oh,YES!
Woo-hoo!!
Excellent!!!!
YAAAAAAAAAS!!!!!!!!

What？なんでしょう？
いえ、ワタシはHANAMIをしているだけですが。苦情？意味がわかりません。ワタシ何か悪いことシタのですか？アナタの制服は警察官であることを示していますね。ワタシにどんな用があるのですか？

写真ですか？どうぞ構いません。ぜひキャメラを見てください。
良いHANAでしょう。撮れたてホヤホヤです。ええ。SAKURAが映ってますね。でもこんなものオマケです。もっとこっちのHANAを見てください。チャーミングでしょう？いつかHANAMIを極めて個展を開きたいと思ってます。

Why？なぜいけないのですか？
HANAMIは素晴らしい日本の文化です。古き良き伝統は残すべきです。ダメなんて言うのはダメです。鎖国は愚かな選択です。もっと世界中にこの良さを知ってもらう必要があるのです。これは義務です。優美なHANAをフレームに収めて世界中に知らしめるのがワタシの責務です。

Pardon？もう一度言ってもらってよいですか？
勘違い？ええ、その意味は分かります。日本語ベンキョウしましたので。はい。アナタの話は十分に理解していますが、ワタシが間違っているとは思わないです。

はい。その通りです。

ですのでワタシはHANAMIをしていると。

Ah, ええ、そうですね。

だから私はここに集う人々の。

ええ、ハイ。

ですからお鼻見を

（おわり）