1.なんで!?

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「……なんなのよ、これ。わけわかんないんだけど」 「わ、わたしだって」 「あーもうっ。なんでよりによって心春なのよ」  ぶつぶつと文句を言いながら、やっと立ちあがるわたし……じゃなくて中身は多分――。 「唯菜……ちゃん?」 「なによ」  ギロッとわたしをにらんでくる。  こ、こわっ。見た目はわたしなのに……っていうか、中身は唯菜ちゃんのはずなのに。  唯菜ちゃんって、いつもたくさんの友だちの真ん中で、優しくにこにこ笑ってるイメージだったんだけど。  なんか……ちがう……? 「あのさ、これってやっぱり、心が入れ替わっちゃったとか、そういうやつ……だよね?」 「あたしに聞かれたって知らないってば。でも……そういうことなんじゃないの?」  唯菜ちゃんが、はぁーと深いため息をつくと、不機嫌そうな声で続ける。 「頼むから、あたしのイメージ、絶対に壊さないでよ」  それを言うなら、わたしだって。  わたしがいきなりいつもの唯菜ちゃんみたいに、にこにこしながら誰とでも親しげに話すようになったりしたら、みんな絶対びっくりしちゃうよ。  それに、家に帰ったらお店のお手伝いだってしなくちゃいけないのに。  そんなこと、唯菜ちゃんに頼めないし……。  どうしたらいいんだろ。 「どうした、心春? なんかあった?」  突然男子の声がして、びくんっと二人して肩を震わせる。  この声は……。
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